
渡良瀬渓谷に面し、山々に囲まれた敷地面積は、およそ5,000坪。
敷地内には、湧き水があり、またナラ、樫、栗などの広葉樹が立ち並び、そこでクライアントの親子は、子供たちのためにブランコなどを製作したり、自家用のショベルカーを駆使して池をつくり湧き水を引いていたりと、暇をもてあそぶ事はない。
渓谷の音、そして山と渓谷の間をぬって走っている『わたらせ渓谷鐡道』のクラッシックな車両が時折木々の間から垣間見ることができる。
外観イメージ
〜自然に調和した家〜
クライアントは当初、ログハウスを希望していた。計画を進めるにあたって、大きな窓(開口)を設けたいという希望していたがログにはその点で制限があった。そして在来工法になったという経緯がある。
スタイルはシンプルモダン。外観の写真の通り、背後にそびえる山々に自然に調和したデザイン。
外部は焼杉(杉の表面を焼いて磨き上げたもの)の羽目板を4方に張り、レッドシダーでくみ上げたバルコニーが家にアクセントをもたらしている。
内観
1F

暖炉は『火を見られるように』とワンオフで作られた『仕組み』によってワイヤーで吊り上げる事もでき、メンテナンスはとても楽になっている。その周りで腰掛けるには、やはり手製の椅子に座ることになる。流木などを利用している為、丸みを帯びていて心地良い。
2F

これらのモダンなデザインのMONOたちが絶妙に調和している。
開口はとても広くとっており、終日陽が入る。
また暖炉で暖められた煙突のお陰で床暖房のような暖かさがある。
3F

東京に居を構えるクライアントは年に60日ほど行き来している。
情報が目から入ってくるこの時代に、ここに来て目を閉じれば、
夏場は渓谷の音、鳥のさえずり、冬は暖炉で燃える蒔きがパチパチとなる。
そして身体は木の香りに満たされ、酷使した我が目を休ませることが出来るだろう。
私は5月頃、敷地内のバーべキューエリアに招待される事を今から願っている。