2006年の今年はやけに雨が多いような気がするのは私だけでしょうか?
先日、クローゼットの奥にしまっておいたジャケットの裾に白い粉上のカビが付いていました。他の洋服を見ましたがカビが付いていたのはその1着だけでした。
クローゼットの内装は杉板(無垢材)を貼ってあります。無塗装のため調湿効果があるので、安心しきっていました。
しかしながら、終日着た汗の付いたスーツや雨で少し濡れた洋服をそのまま一緒にしまってしまえば、クローゼット内は湿気がこもり、調湿の限界を超えてしまいこの事件が起きたのでしょう。こんな話は皆さんの自宅でも経験がありませんか?
部屋内の換気をする事が一番なのはどなたでも解ることですが、やはり限界があります。そこで壁や天井に調湿材を施すことになるのです。
その場合、吸湿だけを考えるのであれば、大建工業やINAXによる調湿建材を使用することをオススメします。しかし、これらの商品は吸湿には抜群の効果がありますが、カタログが示すような『呼吸する』までの効果は今一つと言ったところです。
スポンジのように水分を吸い上げ、まわりが乾燥していくと、徐々に外に放出するという特性で言えば珪藻土がもっとも効果的でしょう。
珪藻土とは何か?七輪や耐熱煉瓦、陶芸に使用される植物性プランクトンが化石化されたものだそうです。軽石をイメージして戴ければその軽さも想像出来ることでしょう。珪藻土は全国各地で採れます。産地によってその特徴は異なり内部の空気孔の大きさによって、使用用途が異なります。
その中でどれを選べば良いのか。予算の都合も考慮すべきですが、クロスではなく自然素材の肌触りや印象だけで選ぶなら、お好きなメーカーで良いかと想います。しかし、その本来の珪藻土壁材としての特性をとお考えであれば、北海道産が内部の気泡が細かくもっとも適しているとされています。
さらに珪藻土壁は施工後ポロポロと落ちないように樹脂を混ぜています。したがって珪藻土含有率が種類によって異なり価格にも反映されるのです。樹脂が多ければ安価で壁を触っても傷は付きにくく、子供部屋などに適すでしょう。また樹脂が少なく珪藻土純度が高くなれば本来の呼吸壁としての性能を発揮しますが、傷も付きやすく材料費も若干高くなります。
サンプルを手にとって軽く爪でかいてみて粉上のものが落ちるほど純度が高い事になります。(補修はとても簡単です!)
実際にマンションの廊下に面した部屋では施工後、梅雨時期を迎えても以前のようなジメジメ感も無くなったとお施主様に好評でした。
大切なのはその用途に適した材を使用することによってより快適に過ごすことが出来るのです。
これからの季節、あと2ヶ月もすると暖房器具がお部屋を暖めます。反面、住宅内で温度差もはっきりしてきて結露が発生しやすくなります。
換気を十分にして、それでも結露が気になるようでしたら、是非ご相談を。
お客様と一緒にシッケを真剣に考えます。