結婚式を現地で挙げるため親族を代表して出席する為である。LAは5年ぶり3回目の訪問。
リーマンショックでアメリカ発の世界同時株安の真っ只中。その意味でも興味深いものがあった。行きは8時間半ほどのフライト。17時間の時差は、調整が非常に難しい。夜中に眼が覚めたり、日中突然睡魔が襲う事もあった。
10月にもかかわらず、日中の日差しは強く、Tシャツで充分なほど。しかし、夕方になると気温は一気に低下し、長袖をしっかり羽織りたくなる。滞在先はLAのサンタモニカの東側。
仕事柄、視点は一戸建て住宅に自然にいってしまう。道路を中心に歩道がありそこから充分にセットバックされた住宅が日本には無い『ゆとり』を持ちながら配置してある。いまLAで住宅を購入するには、治安や町並みを考慮すると最低6000万円はするそうだ。しかも中古住宅で。少し贅沢をすれば1億円は下らない。もちろん敷地も広いが日本の平均的なサラリーマンでは、一戸建ては難しい事になる。サブプライムローン問題の最中、LAの住宅事情はまだまだ強含みだという。
外装はタイル張りやモルタル仕上げ。屋根は軽いコロニアルがほとんど。
玄関ドアは無垢の木製。庭の手入れはとても行き届いている。躯体は2×4。基礎は思いのほか低くGLから玄関までのレベルは日本より15センチ位は平均して低いと思われる。
当然靴を脱がない生活では1階床レベルも低い。湿気が無く乾燥地帯のこのエリアだからこそだろう。施工の仕上がり具合は決っしてほめられたものでは無くかなり荒っぽい。
これはホテルの内装も同様で、そこそこ良いホテルでもタイルの目地や塗装などはよく見るとはみ出ている箇所が目立つ。しかしながら、日本の家と何が違うのかといえば、水周りの仕上げがすべてカスタムメイドであるけれど、ユニットには成っていない事。
工場で作られたシステムキッチンやシステムバスは皆無である。
人造大理石もしくはアクリル系の浴槽にモザイクタイルもしくは塗装仕上げ。水栓金物はすべてメタル系(グローエ社他)のゴッツイ系もしくはモダンなデザインのものをチョイスしている。ただし、日本人として抵抗を感じるのがトイレ。
流通販路はよくわからないが、滞在中ウォシュレットには出会わず。暖房便座も無く、冷たい便座は戴けなかった。
4泊6日の小旅行では、経済危機に直面している実態を感じる事は出来なかった。
片側5車線あるフリーウェイは夕方のダウンタウン方面は渋滞している。それだけでも自動車の多さと文化を感じ取る事ができ、産業を下支えている事は理解できた。
日本に戻り、自宅の和室でごろりと寝転び井草の匂いを嗅ぐと住宅という文化にグローバリズムは不要という想いがよぎった。