3年ほど前だっただろうか。あるセミナーで、『住宅の新築着工戸数が100万戸を割れる時代がやってくる』と聞いたのは。5月1日付け日経新聞の記事によると2007年度は103万5598戸。実に41年ぶりの低水準になったとある。
原因をいまさら述べることもないだろうが、昨年の確認申請の遅れも大きな要因だが、アメリカ発信によるサブプライムローン問題は、株安、円高ドル安と日本市場の体力を一気に消耗させたことによる消費マインドの低迷が主たる原因であることは事実である。
また、ニューリッチと呼ばれたIT企業関連に従事する人たちの資産の一つであるストックオプションの評価目減りは、高額商品の購入機会を遠ざけてしまっている。
さて、この影響を身近で考えてみる。
3月初旬頃から大工さんたちの仕事が3割落ち込んだ。10人の大工さんの内、3人に次の仕事が見えない状況になったのだ。3月末の駆け込み竣工の一段落という見方もあるが4月度着工予定が大幅にずれ込んでいる事も影響している。彼らは何とか短期的なリフォーム工事を数こなす事で仕事を確保している。
木材及び合板関係は依然として強含みであるものの、需要の弱気から高い踊り場にあるといえる。国内需要が回復すればさらに値上げの可能性は十二分に考えられる。
5月に入り、メディアでは食品やガソリンなどの物価の上昇を終日取り上げ、視聴者の誰もが財布の紐を固く縛っている事だろう。今や時代は不景気と物価高というスタグフレーション化しているのだ。
また今年に入り世界が注目しているのは、環境である。世界規模の温室効果ガスの削減目標を掲げ始め、難色を示していたアメリカでさえ大統領選を目前に控え話に乗ってきた。
中国もオリンピックを境に意識が変わってくれる事を大いに期待している。
異常気象の原因を追求すれば
『海をきれいにするには、山をきれいにする事。』この言葉に尽きます。
今を生き、未来を生きる為に大人が子供に教えるべき事は『徳』であると私は考える。
一言で言えば人やモノを大切にする事。大事に 大事に。
ジャンクフード店脇のゴミ箱を覗いてみれば、包み紙やプラスチックそして食べ残しで溢れかえっている。エコロジーを考えるには、ある意味いい機会なのかもしれない。
バブルの頃、世界一豊かな国 日本だったころが再び到来していたら、消費する事が美しいという幻覚があった時代だったとしたら、どれほどの人たちが環境を真剣に考えた事だろうか。
現在、弊社では杉並区南荻窪において大規模改修工事を行っております。
昭和55年に建てられたこの家(注文住宅)は、基礎の補強(炭素繊維による補強)をはじめ柱や梁の補強及び交換をしながら平成20年仕様に生まれ変わりつつあります。
安易に取り壊すのではなく『再生』する事も真剣に考える時代だから。